身すぎ世すぎ。

映画、演劇、HELLOが3本柱の雑感×考察

ぼくのみるゆめはひみつだよ。

細部はすっかり忘れたが、あの富田勲の主題歌
そしてなぜかパルナスのCM曲
「そっと噛みしめてごらん……♪」とともに
幼いころ、アニメ『リボンの騎士』を毎週観るのが
楽しみで仕方がなかった。
後に、娘。時代の後藤真希ちゃんが
ミュージカル『モーニング・タウン』で男役をつとめたとき
彼女のサファイア役をひそかに夢見たりもした。
また子供のころ、東京や名古屋から親戚が遊びにくると
親の命を受けて宝塚の大劇場に案内し
そう楽しそうでもない親戚たちを尻目に
ひとり大きな柱にもたれて
絢爛豪華なレビューに見とれていた記憶をわたしはもつ。
そんなわけで、ハロプロと宝塚がタッグを組んで
リボンの騎士 ザ・ミュージカル』に
じっくり取り組むと聞いたとき
期待値が振り切れ、同時に不安の針も振り切れた。
両極端に想いが揺れるまま、初日が待ち遠しかった。
新宿コマはミュージカル『ピーター・パン』を観て以来だ。
かつてピーター・パンが見事なワイヤーワークで縦横に飛んだ
観客席頭上の大天井に今度はなにをとどろかせてくれるのだろう?
――もうあれから4日たとうとしているが
初日の興奮がまだ冷めない。
仕事中もミュージカル・ナンバーが脳天で鳴り響くよう。
吉澤ひとみ藤本美貴の「大臣の願い〜魔女」が
“魂”を取引するファウストメフィストフェレスの誘惑の歌なら
「葬送」はサファイアの魂の復活を民たちが願う聖なる歌か。
そう受け止めたくなる普遍の力が
このエンターテインメントにはある。
ラブ・ロマンスの要素をギリギリ切りつめてまで
シンプルにそれを実現させた演出家・木村氏の野心、
その野心と斬り合った娘。たち演じ手の集中力、向上心!
男と女の間、愛と憎悪の間で引き裂かれるサファイア
文字通り“入魂”してみせた大抜擢の高橋愛
“恋する王子様”であると同時に
“敵を憎む人”でもあるフランツを
燃える眼で演じた石川梨華もまずは讃えたい。
亡国をもたらすバカ息子のようで
すべての憎しみを知らぬ間に
ふにゃふにゃと意気阻喪させてしまいそうな
久住小春ちゃんの天性のコメディエンヌぶりも。


冷めない興奮に導かれ、衝動的にブログをはじめます。
1ヶ月期間限定かもしれないけれど。
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