身すぎ世すぎ。

映画、演劇、HELLOが3本柱の雑感×考察

2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

家臣ナイロン/小川麻琴

私は良い人すぎる。秘密を守るのに慣れてない。 大臣の息子と戯れ、はしゃぐ姿や、中世という時代背景から家臣ナイロンは“子供”だとする考察が《こちらのサイト》にあって、それはとても説得力がある。息子よりちょっと年上の子供。もちろん、血が繋がってる…

トライアングルとシンメトリー Ⅰ

右の図は『リボンの騎士 ザ・ミュージカル』のキャラクター関係図の概略的試みです。ほんとは愛憎や行為の方向性を“→”で示してゆくのがいいのでしょうが、わたしは、あいにく幼稚園レベルのパソコン作図技術しか持ち合わせていません。それとは別に“→”マーク…

千秋楽・昼公演 雑感

楽におなり 羽のように軽く 砂のように白く。 『リボンの騎士 ザ・ミュージカル』劇中クライマックス前、大臣を急襲するサファイアに小春ちゃんの息子が止めにはいるところで、女装衣装がはぎ取れず、白い帷子一枚の芝居にスムーズに移れないハプニングがあ…

断章

わかると思ったことが またまたわからなくなる。 22日夜の2幕開演直前。緞帳が開く前に少し“間”があって舞台袖のあたりから「のの(ちゃん)頑張ろう!」の声が聞こえる。あれはだれの声だったか? 若やいだ女性の声だったから待機中のだれかだろうか。幕開…

再々見雑感 ピエール/辻希美

いつか見た 愛らしい ほほえみをたたえ。 22日。やっかいな仕事になんとかケリをつけて時計を見たら、もう6時近かった。松浦亜弥のフランツに続いて、結局、辻希美も観逃してしまうのか。しょうがない。遅れに遅れた仕事だもの。でも、辻ちゃんのピエールだ…

魔女,大臣,サファイア 三位一体考

とうとう見つかったよ いまこの瞬間(とき)というもの。 決闘決したフランツ王子の剣先にサファイアの心臓が最後のひと打ちする瞬間、魔女ヘケートはその剣先から海のようにわき立つ血潮に「愛する愛」の“啓示”を受ける。そのとき、ヘケートならどんな詩を…

魔女ヘケート=演出家 考

言っておしまい、心の重荷を……! (前項の続きとなる考察、あるいは戯れ言) サファイア 愛と掟(おきて)。サファイアは一方で掟に生きる者であり、もう一方で愛に生きる者です。強さとやさしさ、仮面と素顔にこれを対応させてもいいでしょう。そして、さば…

大臣/吉澤ひとみ 寄り道的再考

私には、あなたこそがヘビに見える。 自分のしっぽを自分で食らうヘビに。 『リボンの騎士 ザ・ミュージカル』の主要人物は、役を内側から突き動かすイデア(根本観念)のようなものをもっていて、それが彼らを劇的な行為へと駆り立てるように思われます。ひ…

ピエール/三好絵梨香,石川梨華    その2

よみがえれ よみがえれ よきひと よきひと。 ピエールがまず歌い出し(この最初のフレーズを歌う三好絵梨香の声は柔和で温かくて素敵だった)、人々のコーラスとなるクライマックス飛び切りのナンバー「葬送」が深々とわたしたちの胸底に響いてくる。サファ…

ピエール/三好絵梨香,石川梨華    その1

おい。おれたち、このままでいいのか。 牢番ピエールは小さな役だが、思いのほか重要な役だ。難役でもあると思う。第2幕冒頭、ドクロを柱にあしらった暗い監獄。ピエールひとり板つき*1 で登場し、サファイアと王妃を夜明けまでに殺害せよ、という大臣の命…

再見雑感

10日夜、初日以来となる『リボンの騎士 ザ・ミュージカル』を観てきましたが、いや、藤本美貴の魔女ヘケートには改めて惚れますね(以下、終始ネタバレ)。天から地上を睥睨(へいげい)するって感じとともに、魂を差し出してもいいというせっぱ詰まった人間…

レビュー/フィナーレのこと

魂たちよ、こんどはなにになりたい? フィナーレのことに触れておきたいと思います。このフィナーレは『リボンの騎士 ザ・ミュージカル』の劇本編とは違う位相にあるものです。台本にはこう書かれています。「ハロー・プロジェクトのフィナーレ。……アイディ…

サファイア/高橋愛

男か。女か。たいした違いはない。 どちらも生まれて育って、死ぬときは死ぬのだ。 自分が恋いこがれる人と自分が心底憎んでいる人が同一人物だと、フランツ王子はサファイアが剣に倒れるまぎわまで知らない。一方、サファイアは自分が想い想われている人が…

大臣/吉澤ひとみ

いや。芝居こそ現実なのだ。 手塚漫画との対応関係で、もっともキャラクターに開きがあるのはこの大臣だろう。ジュラルミン大公がイバリ屋のむくつけき男だったのに対し、吉澤ひとみ演じる大臣はどこかドジで憎めない。サファイアが大臣への憎しみをあらわに…

魔女ヘケート/藤本美貴

ともに生きてともにほろびる人間の人生がほしい! 「わかった」気になったつもりでも、なにも「わかっていなかった」ことをついに思い知る――。刻々変わる“いま・ここ”の地点から手探りで生きてゆくほかない“ひと”という存在形態をフランツ王子が担っていると…

フランツ王子/石川梨華

わたしはわたしがわからない! 淑女たちの追っかけにあったフランツ王子は、サファイア扮する亜麻色の髪の乙女と町の広場でふと出くわし、ダンスを申し込む。ミュージカルとは言うまでもなく、歌やダンスのパフォーマンスこそが登場人物の感情の高ぶりや心境…

大臣の息子/久住小春

カレーライスせんえん。 大臣の溺愛を一歩引いたところで受け止め、その過剰な愛をかすめとってはヤバくなれば身をかわす。馬鹿息子というより、自分に火の粉がかからぬよう、ここにいるかと思えばあっち、あっちにいるかと思えばここ、と勝手気ままに振る舞…

ぼくのみるゆめはひみつだよ。

細部はすっかり忘れたが、あの富田勲の主題歌 そしてなぜかパルナスのCM曲 「そっと噛みしめてごらん……♪」とともに 幼いころ、アニメ『リボンの騎士』を毎週観るのが 楽しみで仕方がなかった。 後に、娘。時代の後藤真希ちゃんが ミュージカル『モーニング…