身すぎ世すぎ。

映画、演劇、HELLOが3本柱の雑感×考察

2009-01-01から1年間の記事一覧

2009新人公演 11/23 夜(横浜BLITZ)

仕事を抜けるに抜けられず、『恋するハローキティ』にはついに行けませんでした。楽日を土日まで引っ張ってくれていれば。悔しい。プロデューサーの丹羽多聞アンドリウさんが自身のブログに今回の舞台演出はTBSの若手エース武藤淳で、彼のデビュー作はBS-TBS…

晩秋は『スペル』の呪縛にかかりたい。

『スパイダーマン』シリーズですっかりハリウッドのメジャー監督になったサム・ライミ。それはそれでめでたいことだけど、新作『スペル』(11/6公開)は彼の原点である『死霊のはらわた』に本卦還りした、どこかインディーズの匂いが残る痛快作です。音や風…

端っこの桃。

更新してもいないのに土曜の夜からやけに来訪者が多いなぁと思っていたら、『サンクユーベリーベリー』のごく個人的な感想が作・演出の塩田泰造さんによって大人の麦茶《ムギムギデイズ》のブログに、庭の柿の話題をマクラにした温かい文章に挟んでリンクさ…

2009秋季エッグ研修発表会 女優宣言 10/7

エッグ女優宣言の[仙石・吉川・佐保・関根・新井]の回(20:00)に行ってきました。その感想をメモ風に。30分でなにをやるのか、ハンパなもんになんなきゃいいが、と気がかり半分だったけど、楽しかったなぁ。なるほど、研修発表会というにふさわしい、余計…

サンクユーベリーベリー 9/21夜(池袋)

「はるなつーっ♪のツーッ♪が好きだからって、ツーッ♪で止めちゃったら歌じゃなくなる」と嗣永桃子演じる眞佳ちゃんが言うように、葉脈が波打ちながら青・青緑・緑・深緑の諧調をなすシンメのセットに繰り広げられる、この音楽劇の感想を言葉でつなぎ止めよう…

松本人志の『しんぼる』 感想(再考)

笑いの神様の仕業? 内部と外部を結ぶ回路のねじれ方。 『しんぼる』を観てから10日ほど経ちます。今日が初日ですね。あれから観た映画では、なんの曲だっかか、そう、いきなりタイトル・バックにディミトリ・ティオムキンの「遙かなるアラモ」が大音量で流…

松本人志の『しんぼる』−超越者への扉

来週9月12日に公開されるダウンタウンのまっちゃんこと、松本人志監督の新作映画『しんぼる』は、お笑いのネタではなく寿司ネタが効いています。正しくはマグロの握りなんですが、口のなかに頰ばると、なんというか笑いの鬱血したギャグが出口を求め、時を…

熊井友理奈のBBBスポットCM讃

女ヴァンパイア、キャットウーマン、狼少女――肉をかじって口元から血を滴らせた女は数知れないが、果肉をかじって口元から血を吹きだした女〔の子〕は熊井友理奈がはじめてだろう。檸檬(レモン)が本来もっている爽快と不快のアンバランスは、熊井ちゃんが…

こんな夢を見た。

『しゅごキャラ! ミュージカル』の感想を書くという無償の宿題をなんとかやり終えると、締切の迫った手持ちの仕事が半端ないことに気づく。でも、あのミュージカルって子供向けのくせに、前田憂佳のあむちゃんが敵ながら謎めいたワルっぽさにちょっと惹かれ…

しゅごキャラ! ミュージカル 7/20(銀座)

「なんか抜け殻状態……憂佳です」ではじまる、あむ役・前田憂佳の楽日明けのブログには胸を打たれた。あんなに長かった稽古も思いかえすとぎゅっと濃縮されて感じる。「ぶっちゃけ、憂佳 稽古行くの、嫌でした。自分が主役なんて 絶対無理だって 自信が全然な…

オペラ・ド・マランドロ 考察〈急〉

MAX「発展なんかいらねぇ」 LU「もう時が来たのよ!」 『オペラ・ド・マランドロ』は『三文オペラ』より人物関係もかなりすっきりと整理されている。その最大の異動は、『三文オペラ』ではほとんど絡むことのなかったルー(=ポリー)とマルゴ(=ジェニー)…

オペラ・ド・マランドロ 考察〈破〉

『オペラ・ド・マランドロ』は言うまでもなくブレヒトの『三文オペラ』の猥雑な世界を南米ブラジルに移植すべく翻案したミュージカルだが、産業革命末期ロンドンの魔界に1920年代ベルリン爛熟都市の匂いを重ねた『三文オペラ』もまたイギリスの『ベガーズ・…

オペラ・ド・マランドロ 8/1昼(池袋)雑感

あるいは、ルーをとっかかりにした一考察〈序〉 純情可憐な令嬢が銃をかまえるとき、それは命に賭けてあんたのいいなりにはならないわ、という発火点だ。相手がちんけな悪党なら、力関係が一瞬で逆転するだろう。相手が愛する男なら、やがて男にとって危険な…

東京少女2008 全40話 BEST7 その三

二 岡本杏理 #4#5『旅の途中』(前後編) 監督:田沢幸治 脚本:渡辺千穂 ☆40話中、伸びやかで可憐な、青春彷徨篇の極めつけ。中2の杏理はしっかり者だ。2歳のころから父親と二人暮らし。日々の家事もできぱきこなす。ある日の下校時、いつものようにハン…

東京少女2008 全40話 BEST7 その二

五 瓜生美咲 #3『三角形の恋』 監督:熊切和嘉 脚本:篠崎絵里子 ☆40話中、胸きゅんコメディの極めつけ。入学式で迷子のところを助けてくれた13歳年上の数学教師に恋をする、可愛いけどちょっとダサめの「お子ちゃま」を演じてハマるのは、初期の工藤夕貴を…

東京少女2008 全40話 BEST7 その一

七 桜庭ななみ #2『鏡の国のななみ』 監督:加藤尚樹 脚本:保坂大輔 ☆ななみはコーヒーショップでマリコと映画の待ち合わせ。マリコは相変わらず時間にルーズだ。やって来たころにはお目当ての映画がタイムオーバー。ななみが怒ってトイレに立つ間、男子が…

東京少女2008 十人四十色全視聴(BS-i)

連休中いっぱい仕事したので、明けてしばらく時間がとれた。真野恵里菜に先立つ同シリーズ『東京少女』10人分のドラマ映像がひかりTVのTBSオンデマンドに落ちていた。これを全40話*1 まとめて一気に観ることにしようか。そんなことに時間を使うなら、クリン…

和田彩花自作ことわざ#1

猫も日差しに弱い。 【解説】日向ぼっこが大好きな猫も、のんびりとかまえているうちに、まぶしすぎる日差しにぐったり苦吟することになる。動かなくっちゃ。でも、ここに居たい。動きだす決心がつかない、という二律背反(ダブルバインド)状況のこと。転じ…

『三文オペラ』書きあぐねたこと(再考)

『三文オペラ』には「海賊ジェニー」というクルト・ヴァイルの名曲がある。宮本亜門版では、盗品で飾りたてた馬小屋での結婚式の場面だったろうか、ちょっと女体風(?)の横長のテーブルにピカソの「ゲルニカ」をあしらったテーブルクロスが掛けられて*1 宴…

ASAYAN的ユニット名大発表(エッグFC)

エッグ新ユニットのグループ名「S/mileage」が、前田憂佳、福田花音、和田彩花、小川紗季の前で「大発表」される模様が、FC限定の映像として公開された。5月5日の中野サンプラザ℃-uteコン前座にともなう握手会の後、パソコン・モニターにおなじみのつんく…

『三文オペラ』の世界観はお好き?(感想)

『三文オペラ』はノリのいい大阪で熱烈なカーテンコールのなか、千穐楽を終えたとのこと。コクーンで観たかぎり、コンクリ打ち抜きみたいな空間をよじ登ったり飛び降りたりの激しい劇だったので、みなさん大きな怪我なく済んでなによりだ。ポリーとして「演…

チェイサー vs チョコレート・ファイター

または、チェイサー岡井千聖 vs ファイター矢島舞美 和田彩花のブログ「あや著」がはじまった。福田花音がつけたニックネーム「あやちょ」に引っかけて、彩花ちゃん本人が頭をしぼって考えたらしい。頓智が効いててセンスいいね。そのブログのネタが、タンポ…

怪盗ボーノから、傑作『グラン・トリノ』へ

BUONO!の新曲「MY BOY」のPVは楽しい。みなさんが言うように、きっと元ネタは『キャッツ・アイ』なんだろうけど、鈴木愛理がレーザーセンサーを匍匐前進で切り抜けるところなんて、わたしは『エントラップメント』でニセ泥棒キャサリン・ゼタ・ジョーンズが…

ハロテンPARTY2 オーラス 3/22夜(台場)

真野恵里菜はラジオのパーソナリティをソロでやらせてもイケてることを『ハロプロやねん』の特別復活版で知った。トークも悪くないし、「もしもシリーズ」の成りきりコントが面白すぎ、可愛すぎ。「はいOK」後に思わず本人がふきだしちゃうところまでOAに使…

ツブログ突如終了……

わたしの日々に小さな潤いを与えてくれた、仕事の合間の小さな、けれど大切な楽しみが3月いっぱいでなくなってしまいます。思いのほか、このショックは大きい。「かのんのいちごのツブログ」「 Hi! ゆうか放送局です。」「 癒され日和/NOTTI BLOG」「咲…

『フィッシュストーリー』 寄り道的感想

監督・脚本:中村義洋 原作:伊坂幸太郎 出演:多部未華子他 世界を救うヒーローはたいてい5人。成功するグループも5人。ジャクソン・ファイブもフィンガー5も5人だった。モーニング娘。のオリジナル・メンバーだって5人だよ。――そんな会話が交わされる…

東京少女 真野恵里菜 第四話 2/28

『やさしい拳』 監督:古厩智之 脚本:大堀こういち 第一話、二話、三話と、映画志向の若い(あるいは中堅の)つくり手のエチュードの側面をいくらかもちながら、「女優発見のドラマ」の至上命題として未知の新人がもつ天賦の燦めきを壊さずに増幅させよう(…

東京少女 真野恵里菜 第三話 2/21

『 甘い罠にご用心 』 監督:豊島圭介 脚本:加藤淳也 「東京少女」は、ひかりTVでやっていた15分シリーズを例外にいままで観たことがなかったが、今シリーズを3話まで観て、発想も手法も、自然光の生かし方や画面の切り取り方をふくめ、「映画」だなぁと…

東京少女 真野恵里菜 第二話 2/14

『さよならお父さん』 監督:堀江慶 脚本:三宅隆太 30分弱の中篇映画みたいな、このドラマを観て数日たつ。思いかえすと、いまだに胸が苦しくなる。要所に流れる「ダニーボーイ」は、戦場におもむく息子を母親が遠くから思慕する曲(元はアイルランド民謡)…

『カンフーシェフ』 サモ・ハン&加護亜依

加護ちゃんの再帰初仕事を飾った香港映画『カンフーシェフ』は去年の春ごろ、さんざんワイドショーで取りあげられながら、どこも監督が誰かすら教えてくれず、結局、海の物とも山の物ともつかぬ映画と、眉にツバをつけて期待半分に収めておくしかなかった。…