身すぎ世すぎ。

映画、演劇、HELLOが3本柱の雑感×考察

2014-01-01から1年間の記事一覧

思い出のマーニー  感想&考察

◇ぼっち少女の冒険。 この夏、アナとエルサの物語は、杏奈とマーニーの物語へと継承される。『アナと雪の女王』から『思い出のマーニー』へ。ディズニーからジブリへ。アンデルセン=デンマーク発の童話世界から、ジョーン・G・ロビンソン=イギリス発の童…

エスケイプ・フロム・トゥモロー 感想

LAのディズニーランドで無許可ゲリラ撮影したロー・バジェット映画でありながら、本国アメリカで訴えられることなく、劇場公開を実現させた話題のダーク・ファンタジー。きっと、ホラー映画によくある主観ショットを多用したフェイク・ドキュメンタリー形式…

ノア 約束の舟  感想

今春3月に公開されると、アメリカ、ロシア、オーストラリア、ブラジル、ドイツ、ペルーと全世界いたるところで歴代オープニング記録を塗り替え、すでに興収300億円を突破している、とは日本公開前の情報でした。キリスト教文化圏じゃない日本でも、公開16日…

トランセンデンス  感想

AI(人工知能)がもし自我を持ったら? というテーゼは、『2001年宇宙の旅』のHALコンピュータをはじめ、幾つものSF映画が先行してきました。いまや、チェスや将棋で有段者が打ち負かされるのはもとより、ソフトバンクの孫社長が、人間の声のトーンや表情の…

ゼロ・グラビティ  感想

これ、昨年暮れの劇場公開前に書いていながら、ネットに上げるにはいささかネタバレが過ぎるし、時が経って時期が来たら、もうちょっとディテール濃いめにリライトしよう……なんて思いつつ、放り出してしまっていたものです。『リリウム』の演出家・末満健一…

LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇- 6/14夜

心臓を射ぬかれました。血のようにこごった思春期特有の無限の「いま」がふと澄みきり、さざなみを立てる。そんな上質のリリシズムが、退屈まぎれの騒動をも出口なき悲劇をも、通奏低音のように貫いています。学生時代に信州の山すそで読んだ萩尾望都の「ギ…