身すぎ世すぎ。

映画、演劇、HELLOが3本柱の雑感×考察

小春日和の土曜日

  • 徹夜明け、ぎりぎりまで仮眠をとって娘。コン 武道館の昼の回へ。インドやタイあたりを思わせるステージ・セットに、いきなり繰り出される「踊れ! モーニング・カレー」。まさに、マサラ・ミュージカル*1 のダイゴ味ですね。そこから「TOP!」をフィーチャーしたメンバー紹介に入る、映画でいえば“アバンタイトル*2 風のやり方が、今回も効いています。以降、最小限のMCのみを残し、余計なものは一切そぎ落として次から次へと歌で勝負するのも、最近の娘。コンの心意気であって。6人による「すっごい仲間」の陽気な空間が、高橋・新垣2人の「声」に交代してしっとりした湿り気に和らぐ感覚。吉澤・亀井による「シャボン玉」の恋狂いが、すっと大波ひいて「恋ing」へと安らいでいく気分。さながらサケたちががひしめき、跳ね、清流に打たれつつ高みへと泳ぎきるような、VTRあけ「HOW DO YOU LIKE JAPAN?」からアンコール前「青空」を経てオーラス「ウィアラ」(2隊列のコサック・ダンスがまたうれしい)にいたるパフォーマンスの突きぬけっぷり。「色じれ」なんてまるで好きになれない曲なのに、甘ったるい間奏にダンスの見せ場をもうけて以来どんどん進化してゆく感じがします。すっきり3部構成の、実に清々しいライブでした。
  • お堀ばたを歩くとほかほか散歩日和。そのままJRに乗り、亀戸へと足をのばしました。つんく♂レーベルのデビュー曲をひっさげたTHEポッシボーハロプロエッグ)のロビンに会いたくって。都心から外れたここらあたりはなんだかのどかでいいですね。秋葉原のイベント会場には気後れして行けないわたしも、買い物帰りの一般市民みたいな顔して心地のいい秋風に身を委ねていられます。しかも、帰路をちょっと寄り道して、って心やすさの駅前ポジションなのもうれしい。ミニライブも初々しく、のどかなものでした。ロビンは6人になったポッシボーの、ステージ下手から二人目のところにいて、台詞や小道具のタイミングによくしくじる、ドジを踏むのですが、動じる手前で踏みとどまるんですよね。むしろ、そのことで観るものの注意を惹きつけ、茶目っ気をこめて「イッツ・オールライト」って感じに打ち返してみせるんです。声がうわずりまくっている子もいるというのに。この舞台度胸はさすが、下北沢の超満員の小劇場などでつちかったものだよな、って思いました。ブログによると、ロビンの妹分の福田花音ちゃんも『白蛇伝』の稽古帰りに「超ダッシュで着替えもせずに」このイベントに駆けつけ、楽しんだ模様。*3

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*1:インド・ポップスとインド舞踊を溶け合わせた絢爛たる群舞を見せ場とするインドの娯楽映画。

*2:タイトル前にまず見せ場をつくって観客をスクリーンに一気に引き込む 007シリーズなんかでよくやられる手法。

*3:ロビンが姓をストゥーカスから岡田に変えて、このふたり、オカダロビン、フクダカノンと名前のゴロまでが凸凹姉妹っぽくなりました。