身すぎ世すぎ。

映画、演劇、HELLOが3本柱の雑感×考察

モー。10 トークショー他 2日目

  • 歌ドキッ!のいしよし『チェリー』、ボンバー級のラブラブでしたね。あの最終選考の現場以来――喉をつぶして歌どころかストレンジ&キュートな声すらアピールできなかった石川さん、いままで挫折知らずだったのにダンス・レッスンを途中でリタイアして隅っこにしゃがみこんじゃった吉澤さん――ふたりが深々と共有した「時の長さ」の切っ先に、とうとうみつかった融通無碍(ゆうずうむげ)な幸福感。その共振れの高ぶりが、少年っぽい照れ照れのなかに、はたまた婀娜(あだ)っぽいデレデレのなかに秘められているパフォーマンスでした。笑い転げながら目頭が熱くなってきました。
  • その日の朝は、前夜の娘。コンwith美勇伝と、その後の小さな酒席の心地よい疲れに浸っていたいのを必死で起きだし、中澤裕子保田圭石川梨華トークショーに出かけたのでした。メモをとるなんて奇特なことはしないから、いい加減な記憶頼みになりますが、とにかく愉快でした。普段の自分の立場を逆転させて梨華ちゃんが圭ちゃんをいじり倒す様子に、裕ちゃんが、このふたり(圭&梨華)かみ合ってへんなぁ、ほんとは凄く仲がいいんよ、と言ったのがきっかけだったでしょうか。最近、梨華ちゃんよっすぃーが誘い合わせて私の家に来てくれる、って圭ちゃんの話があって、それは前日のよっすぃーとのトークでも話題になったことらしいけれど、よっすぃーばかりが世話を焼いて梨華ちゃんと圭ちゃんは食うばかりの何もしない役なんですって。よっすぃーの役がフツー梨華ちゃんの役目とちゃうん? と裕ちゃんが聞くと、梨華ちゃんはでれーっとした笑みを浮かべてこんな風に言ったのでした。次女の特権で、いままでお姉ちゃんに甘えておいしいものを食べさせてもらってきたから。ふふっ、よっすぃーは年下なんですけどね、って。
  • あまりの愉しさに次の回もみたくなって当日券の有無を受付のお姉さんに尋ねると、会場1時間前に発券するから並んでください、ただし些少枚だから入れる保証はない、とのこと。入れる保証がないのに長時間並ぶ気にはさすがになれず、池袋の駅前でお仕事の受け渡しをしてからサンシャインシティのはずれのちょっとうら寂れたこの空間に舞い戻り、展示会場に入りました。主催者の意欲があまり感じられない一見してショボい空間でした。が、娘。たちのコスチュームや想い出の品を眺めるうちにまったりと時は経つもの。ゴマキペンギン(姉)とヒトミペンギン(妹)の黄色い水かきが薄汚れ摩耗しているさまに、妹にお魚を差し出すために坂を上っては転げ落ちる、シジュポスの神話みたいなゴマキペンギンの往時の暗闘が忍ばれて、奇妙な感慨にひたっているうちに、隣のイベントスペースがにわかにざわつきはじめました。
  • なんという引きの強さ。森咲樹小川紗季北原沙弥香というエッグの3人が、拍手とともに目の前に現れてくれました。思い切り近場なのに、亀戸デリバリーに行けなくてくやしがってたばかり。なんという僥倖でしょう。笑うとミョーに愛嬌のあるモリサキちゃんは、娘。オーディションには年齢制限があったので、これなら娘。に入れるかと思って小学5年でエッグを受けたこと、痩せぎすの印象がいい感じに和らいできたさぁや(沙弥香)は、吉澤ひとみのすべてに憧れていることがトークの収穫でした。イベント・ラストに、3人で「ゴーガール」を2コーラス弱だったか、手振りつきで歌ってくれたこともうれしかったですね。センターポジションの小川紗季ちゃんが、あの特別の笑みとともに、背の高いふたりを左右見上げるかたちでユニゾンの呼吸を合わせる姿がとても微笑ましくって。
  • 紗季ちゃんといえば、福田花音ちゃんとカラオケ仲間であり、レッスンの行き帰りも誘い合わせたりする大の仲良しで、ふたりだけの秘密プロジェクトも進行中なんですよね。「へんりかず」*1 のふたりは10年後、「いしよし」みたいなチャーミングな関係を築けているでしょうか。花音ちゃんの『白虎隊』の役名がまた「りか」なんですけれど。

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*1:ミュージカル『34丁目の奇跡』でダブルキャストだったふたりの役名がヘンリカ。