身すぎ世すぎ。

映画、演劇、HELLOが3本柱の雑感×考察

雑記

  • いつになく高橋愛熱が高まってる。でもヤンタンのレギュラーに戻っても、私の本来の居場所じゃない、と思いはじめてはいないかと胸騒ぎがしてしまう。第2の本田美奈子として『レ・ミゼラブル』のヒロインに、とはよく言われることだが、高橋には踊れる強みもあるよねぇ。
  • 身長が伸びますように、とハロモニで星に願いをこめていた。そうか、高橋愛ってレスリー・キャロンにおもむきが似てると、ふと思った。レスリーはちょっと東洋風のファニー・フェイスで、西洋人にしては際だつほど背が低いミュージカル・スターだった。もともとローラン・プチに見出されたフランス出身のバレリーナだったはずだが、ハリウッドに招かれてからも垢ぬけない田舎娘の役が似合った。*1 そういうところも高橋を連想させる。
  • レスリー主演のミュージカルでは傑作『リリー』のヒロインなんて高橋愛にぴったりじゃないか。カーニバル一座のウェイトレスとして働く孤児リリーが、人形にしか気持ちを託せない心さびしき人形遣いと心通わせてゆく綺麗なきれいなお話。あのリリカルなスタンダード・ナンバー「ハイ・リリー・ハイ・ロー」を、人形を傍らに歌う愛ちゃんが目に見えるようだ。アステアと共演した『足ながおじさん』なんかもいいかも。顔も知らない足ながおじさんに想いを馳せるフランスの田舎娘の夢想が、歌やダンスになってカラフルに散乱するのだ。*2
  • 早くに予告されていて楽しみにしていた《武闘》サイトのリボン考察が満を持して登場しました。演出家の木村信司シェイクスピアとかギリシャ悲劇とか東西の神話とか、どうやら古典に通暁した方のようですね。古典を換骨奪胎して現代化する、ミュージカル的表現にするという野心が、たぶん宝塚的な枠組みをはみ出してしまう木村氏の鬼っ子的魅力でもあるのでしょう。*3 その辺はつけやいばのヤマ勘はあっても、ながらく古典を侮って新しげな風ばかりを追っかけてしまったわたしが突っ込めないところ。示唆されるところが多いです。とくに、ナイロン=フォルスタッフ説にはびっくり。フォルスタッフというのはオーソン・ウェルズが大のお気に入りのシェイクスピア名脇役キャラクターで、これをわざわざ主役にした映画『フォルスタッフ』を監督までしています。天衣無縫の悪意なき悪党とでもいうのでしょうか。ウェルズ直々の、異形にして入魂の怪演が忘れられません。

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*1:フランソワ・トリュフォーレスリー・キャロンの大ファンで、晩年に監督した恋愛コメディに中年過ぎたレスリーを招いています。

*2:恩師のローラン・プチが幻想シーンの振付を担当していて、息を呑むばかりです。

*3:古典を換骨奪胎して現代化する、漫画的表現にするという野心を手塚治虫ももっていたはずです。