身すぎ世すぎ。

映画、演劇、HELLOが3本柱の雑感×考察

演劇

『三文オペラ』の世界観はお好き?(感想)

『三文オペラ』はノリのいい大阪で熱烈なカーテンコールのなか、千穐楽を終えたとのこと。コクーンで観たかぎり、コンクリ打ち抜きみたいな空間をよじ登ったり飛び降りたりの激しい劇だったので、みなさん大きな怪我なく済んでなによりだ。ポリーとして「演…

キューティー・ランド2 12/21昼(新宿)

オトムギと℃-uteからの贈り物『真冬の寝る子は℃-ute』 前夜まで年末進行の仕事のヤマ越えに必死だったから、情報を一切もたないまま新宿御苑をめざした。中島早貴が下手に登場し、いきなり「ポエム調」のナレーションをはじめた。びっくりした。ああ『寝る子…

リズミックタウン 11/29夜 花音 感想

去年の秋ぐち、同じ東京芸術劇場小ホール、同じ演出家・宇治川まさなりで『えくぼ』に出演していた前田憂佳ちゃんが「とにかく!花音は本当かっこよかった!です!」って、ずいぶん投げやりな褒め方を「ゆうか放送局」でしている。で、いつものクセが出てつ…

リズミックタウン 11/29 夜(池袋)周辺ネタ

福田花音・初主演の舞台がぶじ千穐楽を終えたようですね。最後はスタンディング・オーベイションだったとか。歌、ダンス、演技。自分が積み上げてきたものに対して“完璧主義者”であろうとする小さな女優・福田花音のプロとしての姿勢を、さらに思い知らされ…

シンデレラ 虹の彼方に 番外篇その二

二度と大地に戻らない。 娘。も宝塚OGや専科の皆さんも満員の観客も、ともに高揚し、別れがたく、「心はずみ 足は大地 踏み外しそう」な夢心地で千穐楽を終えられた模様。ほんとによかったですね。TVが発信源の『シンデレラ』1957年オリジナル版とそれに続…

シンデレラ ミドルティーン 番外篇

『シンデレラ the ミュージカル』も閉幕まで、あと2回を残すのみですね。夏が終わる気配とともに。わたしは楽日も行けそうになく、新宿コマに通いづめ、なんてブログを読むとうらやましくなります。朝の11時と夕方の4時開演という時間帯がどうしてもネック…

シンデレラ 問いかけ、そして大団円へ

これは恋のいたずらかしら? 『シンデレラ the ミュージカル』のテーマナンバー、ロジャース=ハマースタインの「愛しているから」は、英語題をひもとくと「Do I Love You Because You're Beautiful?」という疑問形になっている。直訳すれば、あなたが美し…

シンデレラ 再会→高橋愛&新垣里沙

世界でいちばん美しい名前。 第二幕一場の後半。ジョイ・ポーシャ・継母が歌い踊る「素敵な夜」が、シンデレラによるコーダ(楽曲の結尾)へと移行する。〈三バカ見栄坊ホラ吹き隊〉の愉快なソング&ダンスが一転、ゆったりと追憶のなかにとろけてゆくような…

シンデレラ 魔法→麻路さき&高橋愛

天使や妖精を信じすぎては危険よ。 『シンデレラ the ミュージカル』に登場する役のなかで、もっとも謎めいているのは麻路さき演じる妖精の女王だろう。脇役のなかでは、今回いちばん映えてるキャラクター。彼女はまず森の「秘密の場所」で、シンデレラの前…

シンデレラ 逆境→森の妖精たち&高橋愛

「灰かぶり」って名前のとおり。 『シンデレラ the ミュージカル』に登場する愛華みれの継母、その連れ子である上の姉・ジョイ17歳=田中れいな、下の姉・ポーシャ16歳=亀井絵里は、3人そろって小言好きで見栄っ張り、という有閑夫人と令嬢を喜々として演…

シンデレラ 構成→新垣里沙(王子)&高橋愛

五分がまるで百年のような。 『シンデレラ the ミュージカル』は、オリジナルのTV版放送(1957年)の7年前に初公開された、ミュージカル仕立ても鮮やかなディズニーの名作アニメより、シャルル・ペローの原作に忠実といっていい。だが、原作とは顕著な違…

シンデレラ 初日8/6(新宿コマ)雑感

締切の迫った仕事をおっぽりだして初日の『シンデレラ the ミュージカル』を観てきた。愉しかった。若さが持ちうる涼やかで透明なエレガンスがそこにあった。遠い国の星々のまたたきのような。その中心を高橋愛のシンデレラが担っていた。OGを含めた宝塚の面…

トゥーランドット 5/5昼 追伸・断片的考察

『トゥーランドット』は「祝祭音楽劇」とわざわざ銘打たれているが、なぜミュージカルではなくて音楽劇なのか。この劇のモチーフであり、野望としての仮想ライバルがあくまでプッチーニのオペラなので、歌劇に対応させて音楽劇とした、というのがまずシンプ…

トゥーランドット 5/5昼 安倍なつみ・追補

「せりふの時代」の安倍なつみインタビューを読みました。とても面白かったので少し引用して、とっかかりにしたいと思います。 私はテクニックでせりふの言い方をつくったことがないんです。 それよりも「こう思うリューの気持ちがある、だからこういうふ う…

トゥーランドット 5/5昼 感想・劇評もどき

ぜひにと思っていた東京公演を観逃したので連休を利用して生家のある大阪まで。梅田芸術劇場は阪急三番街の裏手とのことで目星をつけて行ったのだが、むかし行きつけてた映画街とはかなり離れていておおいに迷う。旧梅田コマなんですね。当日券を求めたのに…

美女木ジャンクション 4/26夜 補足・総合

エッグの小川紗季ちゃんがナナメ前の客席にいつもステージで見せてくれるのと同じお茶目な笑みを浮かべてやってきたとき、わたしの隣の見知らぬヲタさんは思わず腰を浮かして狂喜していたが、このひと、無意識には違いなかろうけど終始荒い息で観劇するクセ…

美女木ジャンクション 4/26夜 花音・憂佳

むかし、赤坂時代のTBSの末端で働いていたころ、しろたえのチーズケーキを(Topsのチョコレートケーキも)よく差し入れてもらいました。なつかしい。作・演出の塩田泰造さんは甘いもんが大好物みたいですね。 泉谷しげるばりに豪放らいらく。愛娘のヒロいわく…

バックトゥザ・白虎隊 10/5

一、壊れた家族に吉澤ひとみという「異物」を潜りこませるなら、彼女、無邪気なストレンヂャーは正論を駆使する世直し人を装って、その壊れ具合を涼しげに加速せしむる価値の撹拌者たるべし、悲しくもいっそ爽快なる「焼け野原」を現出させるケレンとして剣…

えくぼ 9/23昼 前田憂佳・古川小夏

この前の連休は、わたしにとってひさしぶりのハロプロ漬けとなった。24日がモー10イベントどっぷりで、その前夜が娘。コン、その日の午後には、『バックトゥザ・白虎隊』の演出家でもある宇治川まさなり作・演出の『えくぼ』を観た。エッグの前田憂佳と古…

『外は白い春の雲』 補足

楽日もぶじに芝居がはねたようですね。よかったよかった。前回、舞台空間を空色と白色と書きましたが、オトムギのブログにあった幕前のスナップをみると、空色とクリーム色の組み合わせでした。なんとか思い出そうとするときに、クリーム系も頭に浮かんだけ…

『外は白い春の雲』前田憂佳

あの娘のいる窓のこちら側と向こう側。 花音とロビンは『34丁目の奇跡』で共演して以来の心の友。親友ではなく「心友」だと花音は言っていました。そのふたりが誘いあわせてエッグ仲間の前田憂佳が出演する大人の麦茶公演『外は白い春の雲』を観に行った、「…

『白蛇伝』福田花音

昨夜は舞台上の福田花音のことを書こうとして手が先に進まず、断念してしまった。彼女が演じるシャオチンは、安倍なつみの白素貞=白娘(パイニャン)につかえる青ずくめの魚の精だ。パイニャンと島の青年との恋をとりもったり、妖魔の野望をくじいたりする…

『白蛇伝』初日

ル・テアトル銀座。ここは想い出の地だ。ホテルが建つ前はシネラマの大劇場だった。『屋根の上のバイオリン弾き』を観たときはテーマ曲の「サンライズ・サンセット」に差しかかったとき、館内のほうぼうでくぐもるような合唱が起こった。珍奇な体験だった。…

『コトブキ珈琲』 小ネタ集

かつての自主映画の監督、現在失業中という役どころの中神一保が、『タクシードライバー』のポスターに向かい、武装したデ・ニーロが鏡に向かって毒づく同映画の有名シーンの形態模写をするところがありました。芸が細かいなと思いましたが、これが全然受け…

『コトブキ珈琲』 アヤカ&ロビン

少女が珈琲の味を覚えるとき。 夕方、新橋での仕事が早めに終わった。ならばと銀座線と井の頭線を乗り継ぎ、下北沢に向かった。今日を逃すともう観る機会を失うからだ。アヤカとエッグのストューカス ロビン 翔子が客演している「大人の麦茶」の『コトブキ珈…